北陸を拠点に、「古民家再生」や「平成の民家づくり」に取組んでいます。
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古民家再生の会について

■再び日本を見つめる
日本の住宅は明治以降、西欧の近代技術や機能主義の思想によって急速に進歩発展し、かつての暗さや不便さはすっかり解消され、明るく便利になりました。その反面、非効率に思われるものは捨て去られることが多くなり、今日の住宅は、画一的に商品化された「モノ(単なる消費材)」となってしまい、数十年でその役目に合わなくなると取り壊されています。この原因は、新しいものに進歩発展を求め効率化させることと、精神の拠りどころを大切にすることとの両立がなされてこなかったことに起因しているのかもしれません。

■古民家再生に向けて

日本は良質の木材に恵まれ、木材の性質や美しさを見極め、柱や梁をそのまま意匠とする真壁工法が生まれました。真壁工法は木材をよく乾燥させ、日本人の美意識ともあいまって、長い歴史の中で世界に誇れる日本の伝統構法がつくり上げられてきました。古民家には、地域の自然や気候風土に育まれ、生活や行祭事、礼儀作法に密接に結びついた美しさがあります。哲学者の和辻哲郎は「一国の美しさと文化は風土に根ざす。」と言っています。古民家は、正に日本人が創造した日本の住文化の傑作であり、「地域の証明書」と言われ、日本人の魂の拠り所となっています。
■次の百年へ

環境の保全再生と地球温暖化の問題を考えると、現代の快適な生活を維持しながら、建築の長寿命化を叶える省エネ・安全・健康な建築が求められる時代になりました。古民家には現代が求めるそれらの要求を取り入れながら、次の百年へ受け継いでいける大きな包容力があると考えています。一般的に行われているリフォームと古民家再生は根本的に違います。効率化を優先させるようなリフォームは、その場しのぎで見苦しいところを覆い隠し、構造補強をすることも少なく、まったく別な建物にしてしまいます。古民家再生はまず次の百年に繋げるために、基礎から軸組みに至るまで構造的補強を行い、更に当初の姿の歴史性や思い出の痕を、過去から現在、そして未来へと繋がるように残して、その建物でしか出来ない改修を行うことです。それはかつての職人にとっては難しい事ではありませんが、現代では伝統と現代に通用する豊富な知識と高い技術力でしか実現はできません。また古民家などの歴史的な建物を残していくためには、それらの技術に精通する職人が不可欠であり、またその技術を現実の仕事を通して受け継いでいく必要があります。

私たちは、古民家再生を社会啓発して、職人世界の復活となる伝統構法の伝承と日本文化の再認識をし、限りある文化資産である古民家の保存再生の研究を行っています。また、次の百年へ受け継がれる「平成の民家づくり」を創造し、啓蒙と実践を通して、古民家再生に取組んでいます。

 

■組織概要

会長   鹿熊 秀夫  (事務局、営業部、設計部、技術部会全統括)
副会長  金田 仁 (営業部会長)
副会長  土居 正 (経理、技術部会長)
幹事   松川 秀幸(設計部会長、事務局補佐)

幹事   阿戸 哲志(設計部副部会長)
監査   山口 繁樹
■伝統木造技術者のユニオンをめざして

a 幅広い業者及び専門技術者の協力体制
北陸の設計者、職人、建築会社、シルバー営業者が、実際に行われた民家再生を皆の実績として共有し、設計及び職人会員が専門知識をもって支援体制の下に営業と啓蒙活動を行う。
b 専門技術者の信頼のおける仕事
伝統木造技術に精通する設計者と職人の技術者が設計から工事まで一貫して行い、民家の魅力を損ねることが無いように現代社会が求める性能と省エネや環境に配慮をした設計を行い、高品質で資産価値の高い民家再生が可能となる。また、次の世代の技術者も実際の仕事を通じて育てていく事が出来る。
c 税制や不動価値の啓蒙
健康的で快適な長寿命省エネ住宅を追及する事により、今後の税制改革において優遇させる事を説明する。また、長寿命で増改築がし易い古民家(伝統工法)は、家族の変化や個人の居住ニーズに合わせ易く、住み替えにおいても円滑できる可能性が在り不動産価値が高い事を啓蒙して長寿命の住宅の建設を推進する。
d 故郷の森の木の住まい造り
地域で生まれ育った自然素材は同じ環境で使われるので、温度や湿度が変化するその地域の自然環境にも耐えて長持ちします。また、都市と森林は家づくりを中心とする木材の生産と消費という関係で深く結ばれ、都市は森林から多くの恩恵を享受しています。故郷の森の木を活用する地産地消は、地域の林業を活性化させ健全な森林を育てることになります。

2017.07.05.更新